2017年6月4日日曜日

◯なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?④
~デザインは無力か?誰のためのデザイン?

そろそろ本ブログのお題である “『デザイナー視点』で行政・NPOの広報を考える。 に入りたいので次回から書き始めようと思う。

『なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?』を長々と書いてきたが今回で最終回とさせていただく笑。


前回のブログの続き。

2“金ラベル” を胸にステップアップに成功し、大企業の広告などを制作する会社に転職。

『東京で大物になるぜっ』という野望を果たすため、夜遅くまで日々仕事に没頭し続ける。

当時は大手電機メーカーの携帯(ガラケー)のマス広告の仕事を担当し精力的に仕事に打ち込んでいた。

マス広告とはわかりやすく言うとTV・ラジオ・新聞・雑誌などの広告のことであり一般消費者の最も身近なメディア。露出が多い。

マス広告に関わることで日本全国に自分の作った物を見てもらえるのだ。当時の僕にとってマス広告制作に携わることは “誇り” 以外の何者でもなかった。だって親や友達に “この商品の広告自分がやったよ” と自慢したいから。今考えると若いな笑。

そんな充実した日々を過ごしていたはずだったのだが、ふと『何か違うな、、、』と違和感を持ち始める。

一通りの仕事にも慣れ始めた頃だろうか。なぜかはわからないが、なんだこの虚無感。朝からひたすら夜遅くまで仕事をする日々。家と会社の往復しか覚えていない。

きっと精神的に追いつめられていたのだろう。そんな日々を送っていた中、あの出来事が起きた。

忘れもしない2011年3月11日14時46分18.1秒に発生した東日本大震災である。

当時僕は会社で仕事をしていたが、今まで経験したことのない揺れを体験した。

日本全土を揺るがした大地震。東京は大混乱。その日は定時で解散、電車が動かず自宅まで4時間ほどかけて歩いた。

地震発生以降、毎日TVから流れる原発・甚大な被害・被災地の人々のニュース。正直相当なショックを受けてしまった。


この震災を “きっかけ“

『そもそも自分は何のためにデザインをしているのか?』
『デザインは無力なのではないか?』
『自分のデザインは本当に人のために役立っているのか?』

を考えるようになった。
もう仕事、やる気ゼロである。


震災を経験する前はきっと『賞』を穫ることしか考えず、
『デザインは自分のためである!』と胸を張って答えただろう。

しかし震災を経験してしまった僕は、

『そもそも自分は何のためにデザインをしているのか?』
『デザインは無力なのではないか?』
『自分のデザインは本当に人のために役立っているのか?』

が頭から離れない。

悶々と悩み続けること数週間。『デザインは人のためである!』という気持ちにはっきり変わった。前回のブログでも書いたが、今思うとピンクリボンデザイン大賞での経験も大きかったかもしれない。


震災から2ヶ月後、僕は勤めていた会社を辞めた。


それからフリーランスとして、
『デザインで社会課題解決したい』との志を持って活動を始めたのである。

簡単に言ってしまうとこの震災で
『デザイン』や『仕事』に対する姿勢・価値観が180度変わってしまった。
僕の目線はもはや『賞』ではなく、『社会』に向くようになった。

そして、僕の関心・興味
『社会を支えている行政・NPOの広報・デザインへ向くことになる。

今になって思うが、自分の視野が広くなって我ながら
よい決断だったのかもしれないなあとつくづく思う。

長くなってしまったが
なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか? 
少しは理解していただけただろうか?


『デザインは人のためである!』


前置きが長過ぎた笑。

次回からは本ブログのタイトル通り
“『デザイナー視点』で行政・NPOの広報を考える。
書き進めていきたいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿