2017年6月17日土曜日

◯『そもそも “広報” ってなんですか?』

今回から本ブログのお題である “『デザイナー視点』で行政・NPOの広報を考える。 に入りたいと思う。


これからの進め方としては毎回ある ”広報” についてのテーマをデザイナー視点で入れつつ、そして行政広報のアドバイザー・NPO法人向けの広報デザイン講師としてで話ししている内容、あと現在通っている大学院で得た知識を踏まえ総合的に書いていきたいと思う。

大変だ。。しかし自分の頭の整理するためにちょうど良いので書いてみる。何事も挑戦だ。挑戦し続ければきっと何かが見えてくる。



では早速。今回のテーマは
そもそも “広報” ってなんですか?』。


僕は現在広告デザインを生業にし、杉並区の広報アドバイザーとして活動しているが、おかげさまでNPO法人・市民活動向けの広報・デザイン講座のお声がかかることが増えてきた。

実際に講座の講師をやらせていただいてよく感じるのは、講座に参加されるみなさんの “広報” に対する考え方がちょっと違うかなと感じている。

“広報” について “なんとなく、とりあえずやっている” 印象が強いのだ。

今回はまず “広報” ってどうゆうこと?という、知っているようで案外知られていない『そもそも “広報” って何なんですか?問題』を取り上げる。


『 “広報” ってなんですか?』という問い
広報・デザイン講座の参加者のみなさんにしてみた。

◯広く伝えること。(そのまま…ですね)
◯PRをして知ってもらうこと。(ではPRってなんですかね?)
◯チラシを作ること。(作って満足…ではだめですよ!)



結構このような答えが多い。

しかしもう少し大きな考え方で “広報” を捉えると、ちょっとお得♫に視野が広がると思う笑。


広報は英語でPR(Public Relations)という。
直訳すると【Public=公共】【Relations=関係構築】
【公共+関係構築】←なんとなく理解できるような気がする。

人によって “広報” の解釈が違うのだが僕が考える “広報” とは、
『人々とより良い信頼関係を創り出すために行う誠実な活動』と考えている。

簡単に言うと “嘘をつかず、みんなと仲良く楽しい関係性を作る活動” のほうが親しみやすいかもしれない。

そんな “広報” で大切なのは人との良好な関係性づくりつまりデザイナーの視点からだと人との良好な関係性コミュニケーションでデザインする活動ということなのかなと思う。


さらに
『あなたの団体の広報するとしたらどうしますか?聞いてみた。

◯とりあえずチラシを作って役所などに置いてもらう。
◯役所の広報紙にのせてもらう。
◯地元の新聞・メディアに掲載をお願いする。



では一般的に団体として取り組む “広報” とはどんなことを指すのだろうか。ざっと以下にあげてみる。大体大きく2つ。

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①社外広報(団体外向けの情報発信)
・パブリシティ活動(メディア向けプレスリリースの作成)
・マスコミ取材対応(危機管理含む)
・イベント
・広報紙、発行物
・ブランド管理(団体らしさ)
・ホームページ、SNS
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②社内広報(団体内向けの情報発信)
・職員向けの広報紙(団体の方向性を共有できるもの)、メルマガ
職員向けの様々な研修
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①社外広報の目的は主に
団体の情報を社外の多くの人に発信 + 良好な関係づくり。

②社内広報の目的は主に
団体組織の良好なコミュニケーションづくり。


前文の
『あなたの団体の広報するとしたらどうしますか?という問いかけに

◯とりあえずチラシを作って役所などに置いてもらう。
◯役所の広報紙にのせてもらう。
◯地元の新聞・メディアに掲載をお願いする。

と講座参加者のみなさんにお答えいただいた。


決して間違いではない。立派な “広報” だと思う、、、けど。
僕が考える “広報” の観点からだとどうだろう?
“広報” とは “嘘をつかず、みんなと仲良く楽しい関係性を作る活動” と書いた。


お気づきの方もいるかもしれないが、“広報” で大切であろ『人』との関係性講座参加者のみなさんが答えてくれたもので感じられただろうか?


多くのみなさんはこ『人』との関係性・存在を特に考えず “広報” をしている人が多いのかな?と推測する。きっとこのことが僕とみなさんが感じる “広報” 対する考え方のギャップなのかも。

ぜひこれを機に “広報” について少し考えてみてもいいかもしれない。


“広報” する場合は必ず『人』を意識しなければならない。
“広報” の先には必ず『人』がいるのだ。


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【今回のまとめ】
“広報”とは?…“嘘をつかず、みんなと仲良く楽しい関係性を作る活動” 
◯“広報” の先には『人』がいる、必ず『人』を意識しなければならない。
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2017年6月4日日曜日

◯なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?④
~デザインは無力か?誰のためのデザイン?

そろそろ本ブログのお題である “『デザイナー視点』で行政・NPOの広報を考える。 に入りたいので次回から書き始めようと思う。

『なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?』を長々と書いてきたが今回で最終回とさせていただく笑。


前回のブログの続き。

2“金ラベル” を胸にステップアップに成功し、大企業の広告などを制作する会社に転職。

『東京で大物になるぜっ』という野望を果たすため、夜遅くまで日々仕事に没頭し続ける。

当時は大手電機メーカーの携帯(ガラケー)のマス広告の仕事を担当し精力的に仕事に打ち込んでいた。

マス広告とはわかりやすく言うとTV・ラジオ・新聞・雑誌などの広告のことであり一般消費者の最も身近なメディア。露出が多い。

マス広告に関わることで日本全国に自分の作った物を見てもらえるのだ。当時の僕にとってマス広告制作に携わることは “誇り” 以外の何者でもなかった。だって親や友達に “この商品の広告自分がやったよ” と自慢したいから。今考えると若いな笑。

そんな充実した日々を過ごしていたはずだったのだが、ふと『何か違うな、、、』と違和感を持ち始める。

一通りの仕事にも慣れ始めた頃だろうか。なぜかはわからないが、なんだこの虚無感。朝からひたすら夜遅くまで仕事をする日々。家と会社の往復しか覚えていない。

きっと精神的に追いつめられていたのだろう。そんな日々を送っていた中、あの出来事が起きた。

忘れもしない2011年3月11日14時46分18.1秒に発生した東日本大震災である。

当時僕は会社で仕事をしていたが、今まで経験したことのない揺れを体験した。

日本全土を揺るがした大地震。東京は大混乱。その日は定時で解散、電車が動かず自宅まで4時間ほどかけて歩いた。

地震発生以降、毎日TVから流れる原発・甚大な被害・被災地の人々のニュース。正直相当なショックを受けてしまった。


この震災を “きっかけ“

『そもそも自分は何のためにデザインをしているのか?』
『デザインは無力なのではないか?』
『自分のデザインは本当に人のために役立っているのか?』

を考えるようになった。
もう仕事、やる気ゼロである。


震災を経験する前はきっと『賞』を穫ることしか考えず、
『デザインは自分のためである!』と胸を張って答えただろう。

しかし震災を経験してしまった僕は、

『そもそも自分は何のためにデザインをしているのか?』
『デザインは無力なのではないか?』
『自分のデザインは本当に人のために役立っているのか?』

が頭から離れない。

悶々と悩み続けること数週間。『デザインは人のためである!』という気持ちにはっきり変わった。前回のブログでも書いたが、今思うとピンクリボンデザイン大賞での経験も大きかったかもしれない。


震災から2ヶ月後、僕は勤めていた会社を辞めた。


それからフリーランスとして、
『デザインで社会課題解決したい』との志を持って活動を始めたのである。

簡単に言ってしまうとこの震災で
『デザイン』や『仕事』に対する姿勢・価値観が180度変わってしまった。
僕の目線はもはや『賞』ではなく、『社会』に向くようになった。

そして、僕の関心・興味
『社会を支えている行政・NPOの広報・デザインへ向くことになる。

今になって思うが、自分の視野が広くなって我ながら
よい決断だったのかもしれないなあとつくづく思う。

長くなってしまったが
なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか? 
少しは理解していただけただろうか?


『デザインは人のためである!』


前置きが長過ぎた笑。

次回からは本ブログのタイトル通り
“『デザイナー視点』で行政・NPOの広報を考える。
書き進めていきたいと思う。