2017年5月28日日曜日


◯なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?③
~ “きっかけ” が『自分・キャリア』を変える ~

今現在、ほぼ毎日といっていいほど大学院で広報を学び、向き合っているのだがしみじみ『確かにそうだ!』感じるのは

広報は大前提として『伝える人の気持ちを理解できないと、伝え方がわからない』ということだ。


これは実際に広報で使うメディアを選ぶ使用する機会があった場合、この感覚がないと絶対に失敗するなあ〜と感じている。

これは前のブログでも書いたが

◯常に相手のことを考えること
◯常に『自分だったら?』を考えること

にもつながる。

物書きでない僕も、実際にブログを書いてみてかなり勉強になっている。何事も経験・挫折?をして感覚を研ぎすますしかないようだ。

アルファブロガーと言われる世の中に影響を与えている人たちもきっと、最初は手探りで落ちこんだりもしたはず。。だ。

と、自分に言い聞かせながら、なぜ?僕が行政・NPOの広報に興味を持ったのか?について書きたいと思う。




◯そもそものきっかけは『東京で大物になるぜっ』という野望。

時間が結構かかったがやっと本題に笑

そもそも僕が行政・NPOの広報に興味を持った “きっかけ” になったのはあるデザイン賞の公募だった。


当時の僕は静岡から大きな志を持って『東京で大物になるぜっ』という野望を胸に上京し日々深夜まで仕事をしつつ、休みの日を使って意気揚々とデザイン公募にチャレンジしていた。


当時のデザイン業界(今もそうかもしれないが)では転職してスキルアップ、より高いキャリアを目指し転職、ステップアップしていくことが頻繁な業界。


『東京で大物になるぜっ』へのステップアップのためには戦略としてデザイン公募で『賞』を穫ることが必須。

『賞』を穫ることでいわゆる転職に有利な “金ラベル” が自分に貼られるのだ。だからどうしても『賞』が欲しい!!

さかのぼること今から12年前。(ずいぶんと歳をとった、、)
こんなデザイン公募があった。

第1回ピンクリボンデザイン大賞(2005年実施)

ピンクリボンは今となっては認知されていると思うが念のために解説をしておく。

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ピンクリボンとは】
乳がんの早期発見の重要性と乳癌検診の必要性を啓蒙する、世界的なキャンペーンの名称・シンボル。 出典:小学館/デジタル大辞泉
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ピンクリボンデザイン大賞の詳細はこちら


当時の乳がんの社会問題として『女性の社会進出による生活変化』や『食の欧米化』により乳がんが年々増加。当時は30人に1人が乳がんになると言われていた。(補足として現在は12人に1人が乳がんになると言われている)


そこで日本対がん協会が、乳がん検診へ行くための啓発ポスターデザインを募っていた。


当時の僕は『とりあえず片っ端から『賞』なるものに応募しまくっていた』ので軽い気持ちで特に意識せず制作したのを覚えている。(もちろんピンクリボンについてしっかり調べた上で、制作に真剣に取り組んでいた)


そこで早い話、 “金ラベル” が貼られるという『賞』をいただいたのだ。



このポスターは実際に東京都のポスターとなり健康保険組合をはじめ、フィットネスクラブや公的機関など、都内1,000カ所以上の施設で掲載。


あまりの影響の大きさに

『たかが1枚のポスターでこんなにも日本を動かせるのか!』

さらなるデザインの凄さ・面白さにハマり、いい意味でのショックを受けたのを今でも鮮明に覚えている。


当初、『東京で大物になるぜっ』と思っていた僕がこのピンクリボンの『賞』をもらったことが “きっかけ”少しではあるが『デザインで社会課題解決したい』という自分の気持ちの変化が起き始めていたのは間違いない。当時は全く考えてはいなかったが。。。


さらに4年後。

第5回ピンクリボンデザイン大賞(2009年実施)

でも『賞』をいただいた。




この2回の『賞』“きっかけ“転職をし、ステップアップしていったのは言うまでもない。


しかしその2年後、僕の価値観を崩壊させる大きな “きっかけ“ が起こる。



2017年5月20日土曜日

◯なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?②
~『デザイン』から見えた『広報』の共通点~

いろいろ試行錯誤でブログを頑張って書いているが非常に大変な広報活動だと実際に書いてみて痛感している笑。果たして続くのだろうか。。。頑張りたい。。。


このブログを読んでくれている人はもしかしたら『デザイン』ではなく『広報』に興味があるだろうがもう少し待ってほしい笑


もう少し『デザイン』と『広報』について説明が必要かと思う。


僕は今まさに『広報』と向き合っているがそもそも最初から『広報』に興味があった訳ではない。


昔の僕に『デザイン』『広報』どっちを仕事にしたい?と聞かれたら迷わず『デザイン』と言うだろう。


だって『デザイン』って何かかっこいいから。『広報』ってよくわからない。イメージってけっこう大切だ笑。


昔の僕の『広報』のイメージと言えばきれいなお姉さんが会社の宣伝するくらいしかなかった。

もしかしたらこのブログを読んでいるみなさんも


『広報』ってそもそも何?


と思っている人がいるかもしれない。

『広報』意味はいろいろあるのだが、僕が思う行政・NPO広報でしっくりきそうなのは


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【『広報』(Public Relations)とは】
団体・関係者とよりよい信頼関係を作り出すために行う誠実な活動。
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今まさに僕は行政の『広報』に向き合っている。

その中で、『広報』の意味を『デザイン』の仕事を通じて何となく感覚的に感じていた。

そう、今になって思う。
 “『広報』に必要なヒント” 『デザイン』を考える上で、共通点としてあったんだなと。

前のブログで『デザイン』を自分なりに定義した


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【僕が考える『デザイン』とは】
目的をもって具体的に立案・設計し、形や行動を考案すること。
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僕の若い頃の駆け出しグラフィックデザイナー時代はひたすら指示された目の前の仕事を必死でやってきた。よく休日出勤・タクシーで深夜帰宅・朝帰りなどした。今思うと懐かしい。

いつも思っていた。


『きれいなデザイン』
『かっこいいデザイン』  を作りたい。


常に目をギラつかせ、ひたすらデザインの本を見たり、
デザインの展示に足を運んで今よりかっこいい・今より良いものを作るんだ!と。


しかし年を経て経験を積み、自分が指示された目の前の仕事だけでなく、独り立ちし仕事を担当したときにお客さんへの打ち合わせ・プレゼンテーションをする立場になると、そんな自分よがりな想いは一切通用しなくなる。


これじゃない!とお客さんに大幅に修正、作り直しも多々あった。


『なんで?』


今考えれば、この『デザイン』の仕事の目的はお客さんの課題解決。お客さんが求めているもの、いわばニーズを踏まえデザインを考えなければならないのに、


『きれいなデザイン』
『かっこいいデザイン』  を作る。


ということが僕の一方的な目的になってしまっていた。


この仕事の場合、目的はお客さんの課題解決のためのデザインを提供すること。決して僕が思い描いている『きれいなデザイン』『かっこいいデザイン』をお客さんは求めていない。


何が言いたいかというと、いくら『きれいなデザイン』『かっこいいデザイン』を作ってもお客さんのニーズとマッチしなければ仕事にならない。


何回も修正・やり直しなのだ。
なぜならお客さんは『きれいなデザイン』『かっこいいデザイン』は必要としていない。課題を解決してほしいのだ。


結局、せっかく作ったその『きれいなデザイン』『かっこいいデザイン』は相手に求められず作り手の自己満足で終わってしまいお蔵入りなのだ。


これは『広報』でもありがちだなあとよく思う。

僕の若い頃のような、独りよがりの一方的なコミュニケーション笑



◯満腹の人に“ご飯のおかわり”を勧めるコミュニケーション

実際にわかりやすい例をあげてみる。


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①送り手が “めちゃくちゃおいしいハンバーガー” を
『受け手に食べて欲しい』と思い勧めている。

②受け手はすでにお腹がいっぱい。
『食べ物はいいから【お水】が欲しい』と思っている。

③しかし送り手は受け手が【お水】が欲しいと思っているのに、一方的にハンバーガーを食べさせようとする。

④受け手は【お水】が欲しいので、もちろん拒否する。
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あなたが受け手だったらこの状況、どうだろう?
嫌悪感や怒りを覚えないだろうか?


この例の場合も受け手の気持ち(ニーズ)を無視して、送り手が受け手に対して一方的なコミュニケーションをしているのと同じなのだ。


送り手にとっては “めちゃくちゃおいしいハンバーガー” を
絶対に食べて欲しいという熱い想いがあるのだが、受け手にとって


『食べたいタイミング今なのか?』
『本当にハンバーガーが欲しいのか?』


ハンバーガーを渡す前に考えることが必要なのではないか。

広報視点から考えると、よりよい信頼関係が作られ、果たしてそれが誠実な行動なのか?


広報で必ず必要なのは
◯常に相手のことを考えること
◯常に『自分だったら?』を考えること


必要な最低でもこの2点は癖として頭に入れておくといいと思う。


これが広報やる上で必要なコミュニケーションであり、
人対人との関係でも必要なコミュニケーションだと僕は思う。


『デザイン』と『広報』でも目的があり、共通することは
信頼されるコミュニケーションのやり取りがあってこそ。


僕も『デザイン』を通して色々な経験を積み、ようやく自分で気づいた。

この気づきが『広報』という分野でも、現在のいろいろなコミュニケーション上の違和感に敏感になり、今の僕があるのかもしれない。

タイトルとずいぶん内容が違ってしまったが(許して欲しい笑)

次回はそんな僕が行政・NPOの広報に興味を持ったのか?
しっかり書いていきたいと思う。


2017年5月17日水曜日

◯なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?① 
~デザインを定義してみる~

今回のブログの内容を考えていたときに
これは1回では終わらなそうだ、、と思ったので数回に分けていこうと思う。


その前に『デザイン』について書いておく。
なぜならこの『デザイン』の考え方が『広報』にとても役に立っていると思うからだ。


では本題に入ろう。世の中にはあらゆる『デザイン』が存在し、あらゆる『デザイナー』が存在する。


『デザイナー』といってみなさんがまず思い浮かべるのは
『ファッションデザイナー!』という声が一番多そうだが、実はいろいろある。


世の中に知られている『デザイナー』を少しあげてみる。

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◯ファッションデザイナー…服飾をデザインする。
◯プロダクトデザイナー…車や家具をデザインする。
◯グラフィックデザイナー…本やポスター・チラシをデザインする。
◯WEBデザイナー…WEBサイトを設計・デザインする。
◯コミュニケーションデザイナー…人と人の関係をデザインする。
(主にワークショップやファシリテーション)etc
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この中で言えば、ぼくは『グラフィックデザイナー』にあたる。


このブログでは一番キャリアの長いグラフィックデザイナーとして
『グラフィックデザイナーの視点』から行政・NPOの広報について書いていきたいと思う。


簡単にグラフィックデザインの説明をしておこう。
グラフィックデザインとは、身近なものでいうと
ロゴ・パンフレット・名刺・会社案内・ポスターなどがあり、
お客さんから事業の課題をもらい課題解決の答えを『デザイン』という形にする仕事だと思っている。




◯自分の頭の中で『デザイン』を整理し、定義してみる。

いつもグラフィックデザインの仕事をして考えるのは
そもそも『デザイン』とは何か?ということ。


これは簡単に『デザインとは◯◯です!』と
簡単に答えることができないのが歯がゆい。答えがないのだ。


実際『デザイン』を生業にしている人は結構思い悩む。
まあ一般の人は特にこれといって考えたことはないと思うが。


いくつかある中で『デザイン』について調べてみた。

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【デザイン(design)
◯目的をもって具体的に立案・設計すること。
 例)「快適な生活をデザインする」

◯図案や模様を考案すること。また、そのもの。
 例)「家具にデザインを施す」「商標をデザインする」

 出典:小学館/デジタル大辞泉
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デザインとは何か?といろいろな考えや表現があるのだが、
この以下の考え方が今僕が取り組んでいる『広報』にしっくりきている気がするのでグラフィックデザイナーであるぼくの立場から『デザイン』を定義しておく。


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【僕が考えるデザインとは】
目的をもって具体的に立案・設計し、形や行動を考案すること。
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次回は、実際に僕が思う『デザイン』についてもう少し詳しく書きたいと思う。


2017年5月14日日曜日

◯はじめに

2017年4月。僕は社会人の大学院に通い始めた。
その大学院は、社会情報大学院大学


日本で初めての『広報』専門の大学院だ。期間は2年間。


僕は今、広告デザイン制作などを生業とする
クリエィティブディレクター・グラフィックデザイナーであり、昨年度からご縁あって杉並区の広報専門監という
行政広報のアドバイザーをしている。


僕がどんなことをやっているか、興味がある方は是非ここを見てほしい。


まあ世の中的に『クリエイター』と呼ばれる人種。
学生時代、勉強はあまり好きではなかったし成績も普通。
でも小さい頃から絵が好きで(でも絵はうまくないし手先は不器用)
そこそこ美術の成績も良かった。


中学の先生のススメもあって(本当に感謝♪)
デザインの学べる高校に進学。(学費はめちゃめちゃ高い。親にも感謝♪)
それから大学に進学し、引き続きデザインを学んだ。


そして志を持って上京し、就職。
『東京で大物になるぜっ』と鼻息を荒くし必死に仕事を覚えた。
それから転職を繰り返し、席を置いた会社は数えてみたら6社ほど。
今思うと組織には肌が合わないようだ笑
結局、自分で会社を立ち上げて仕事をしている。


高校時代から数えるとデザインに携わったキャリアも今年で20数年。
かなり飽きっぽい性格だと自負をしているのだが、
今もなんとか辞めずにデザインの仕事をしている。
『好きこそ物の上手なれ』とはうまく言ったものだ。


この職業に向いていたのかもしれない。


そんなクリエイターキャリア20数年の僕が
『なぜ、デザインではなく行政・NPOの広報?』と疑問を持つ人も多いだろう。


ご縁あって杉並区広報のお手伝いすることになったのも、
大きな “きっかけ” であることは間違いない。


このブログでは、なぜデザイナーである僕が
『行政・NPOの広報』に興味を持ったのか?


また『行政・NPOの広報』に関する知識・情報整理、
そして大学院で学んだことや気づきなどを
デザイナーの視点から自分なりに考えを整理し、
ブログという形で興味のある皆さんへ発信することで
さらに自分自身への理解度を深めていきたいと思う。


前もって言っておきたい。
そもそも僕は『デザイン』という絵的な表現は得意なのだが
文章を書くことは大の苦手。


しかしこれも良い経験・勉強だと思って
(大学院の先生もブログはやらないと損だ!と言っていたし)
できる限りこまめに発信していきたいと思う。


どうか軽い気持ちで読んでいただきたい笑



次回は『なぜ?デザイナーが行政・NPOの広報に興味を持ったのか?』について“きっかけ” になった出来事を中心に書いていきたいと思う。